
シャンプーで大切なことは、自分の頭皮に合うもの選ぶということです。
もし毎日洗っているのに脂っぽかったり、しっかり洗っているのにフケが出たりするなら、それは使っているシャンプーが自分の頭皮にあっていないからかもしれません。今回は、それぞれの頭皮の状態に合わせて、最適なシャンプーを選ぶためのポイントや、正しいシャンプーの仕方について紹介します。
頭皮の悩み別シャンプーの選び方
そもそもシャンプーというのは、髪の毛を洗うためのものではなく、頭皮を清潔に保つために使うものです。
植物が土壌から養分を吸収するように、髪の毛も頭皮から栄養を吸収しています。そのため、頭皮を清潔に保つことが、髪の毛の健康にとっても不可欠なのです。
しかし、頭皮の状態というのは人それぞれに異なります。もし自分の頭皮に合わないシャンプーを使ってしまっている場合、かえって頭皮の環境が悪化し、結果として髪の毛の健康まで損なってしまうことがあります。
シャンプーを選ぶ際は、まず自分の頭皮の状態を知ることが重要なのです。
頭皮のべたつきが気になる場合のシャンプー
頭皮の状態は、大きく分けて「脂性タイプ」「乾燥タイプ」の2種類があります。
べたつきやすい方は皮脂の過剰分泌によって頭皮が常に脂っこい状態です。湿ったフケが発生することもあります。
洗髪をしないと炎症や脱毛に繋がってしまうこともあるため、頭皮の皮脂汚れをしっかり洗い落としてあげることが大切です。
毎日シャンプーを行い、頭皮を清潔に保ちましょう。炎症が起こっている場合は、洗浄力が強いシャンプーは要注意です。洗いすぎると頭皮がかぶれたりすることがあるため、敏感肌の人や頭皮トラブルを抱えている人は注意したほうが良いでしょう。
心配な方はアミノ酸系のシャンプーで、泡パックをすることをおすすめします。シャンプー中に、1~2分ほど、泡で頭皮を包んでおきます。洗髪だけではとれていない皮脂が浮いてくるので、すっきりしますよ。
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頭皮の乾燥が気になる場合のシャンプー
頭皮が乾燥しやすく、かぶれや湿疹が起きやすいという人は、まず頭皮に刺激を与えすぎないことを考えなければなりません。
乾燥タイプの頭皮は、わずかな刺激でも頭皮がダメージを受けやすくなっています。そのような頭皮の人が洗浄力の強いシャンプーを使うと、頭皮に必要な皮脂と水分まで失われてしまい、乾燥フケや頭皮のかゆみ、また頭皮にかさぶたを作る原因にもなってしまいます。
もしシャンプーを使っていて、フケやかゆみがあるのなら、低刺激のシャンプーに変えることを検討してみましょう。
洗浄成分にアミノ酸が使われている「アミノ酸系シャンプー」は、頭皮に与える刺激が小さく、乾燥しやすい人でも優しく頭皮を洗浄することができます。しかも、アミノ酸は髪の毛を構成する成分でもあるためです。頭皮に強い刺激を与えず、余計な汚れをしっかり洗い落としたい人におすすめのシャンプーです。
シャンプーは毎日、1日1回行うことが基本ですが、どうしても乾燥が気になる方は、1日おきにしてみても良いかもしれません。
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頭皮の臭いが気になる場合のシャンプー
頭皮の臭いに悩まされている場合も、過剰分泌された皮脂が原因になっていると考えられます。
頭皮に限らず、体臭というのは汗が原因になっている場合がほとんどです。しかし、実は汗そのものに臭いはありません。かいた汗と皮脂汚れが混ざることによって、嫌な臭いを放つようになるのです。そのため、頭皮の臭いが気になるという人は、しっかりと皮脂を洗い落とすことがまずは大切になります。
ただ、頭皮を洗いすぎることも、皮脂汚れを解消するためには良いことではありません。なぜなら、頭皮に付着している皮脂には、雑菌の繁殖を抑えたり、皮脂膜を形成したりする役割もあるからです。
頭皮を洗浄しすぎてしまうと、こういった必要な皮脂まで洗い落としてしまい、臭いを防ぐ抵抗力が弱ってしまう恐れがあります。そのため、臭いに悩まされている場合は皮脂汚れを落とすよりも、頭皮に優しいタイプのシャンプーを選んだほうが良いでしょう。
アミノ酸系シャンプーや、低刺激のノンシリコンシャンプーがおすすめです。
また、臭いを消すということを考えるなら、消臭成分の含まれたシャンプーを選んでみるのもひとつの手でしょう。
産後に頭皮のかゆみが気になる場合のシャンプー
もし産後に頭皮のかゆみが気になるようになったなら、それは産後のホルモンバランスの変化が原因のひとつだと考えられます。
産後の女性の身体は、こどもを育てるために大きく変わります。その変化は体質や免疫機能にも影響を与え、以前より肌が乾燥しやすくなったり、頭皮が炎症を起こしやすくなったりすることも少なくありません。
かゆみの原因が頭皮の乾燥の場合、頭皮が乾燥しないように気をつける必要があります。
出産前と同じように、刺激の強いタイプのシャンプーを使っていれば、ますます頭皮の乾燥を招いてしまうため、産後にかゆみが気になりだしたら、今まで使っていたシャンプーは変えることをおすすめします。
低刺激のノンシリコンシャンプーやアミノ酸系シャンプー、植物から成分を抽出して作られるオーガニック系のシャンプーなどもおすすめです。
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子供の頭皮のかゆみ
小さなこどもが頭皮のかゆみを訴えたら、まずこどもがどのように頭を洗っているのか確認しましょう。
シャンプーを使わずにボディーシャンプーで済ませてしまっている場合や、石鹸で頭を洗っている場合は、余計な皮脂まで洗い落として頭皮が乾燥しやすくなっていることが考えられます。その場合は、なるべく刺激の弱いアミノ酸系シャンプーなどに変えてあげると良いでしょう。
一方で、シャンプーを使っているのに頭皮にかゆみがあるなら、洗い方に問題があるのかもしれません。
頭皮は髪の毛が邪魔をしてしっかり洗えない箇所でもあります。皮脂や汗などが頭皮に残れば、それが雑菌となり、かゆみの原因になることも。その場合は、頭皮が柔らかい子供も安全に使えるよう、低刺激のシャンプーを使いながら、頭皮を丁寧に洗うことを教えるようにしましょう。
乾燥が気になるなら、アトピー用の保湿剤入りシャンプーなどもあるので、あまりに乾燥しやすい場合は頭皮の状態を見ながら使ってみても良いでしょう。
正しいシャンプーの洗い方
頭皮の悩みを解消するためには、自分に合ったシャンプーを選ぶだけではなく、シャンプーの仕方にも気をつけることが必要です。
頭皮に合ったシャンプーを使っていても、間違ったシャンプーの仕方をしていると頭皮環境が悪化してしまう場合もあります。シャンプー前やシャンプー後のケアも重要ですから、あわせて確認しておくようにしましょう。
洗髪前にはブラッシングを行う
シャンプーをする前に、しっかりと下準備をしておくことがポイントです。
シャンプー前の髪の毛には、その日1日のごみやほこりがたくさんからまっています。シャンプーをする前は、まず髪の毛をブラッシングして、ごみやほこりをしっかり落とすようにしましょう。そうすることで、髪の毛にお湯の通り道ができ、頭皮の奥までしっかり濡らすことができます。
逆にブラッシングをせずにシャンプーしてしまうと、ごみやほこりに邪魔されて髪をうまく濡らすことができません。
ブラッシングは、髪の毛をオールバックにとかすようにして行うと、髪の毛に付着しているごみやほこりをしっかりと落とせます。
▼ブラッシング方法について美容師さんに紹介してもらっています。
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洗髪時の注意点
①予洗いでしっかり髪を濡らしておく
シャンプーで最も大事なことは、しっかりと髪の毛をすすぐということです。
まず、実際にシャンプーを手に取って洗う前に、38度くらいのぬるま湯でしっかり髪の毛をすすぎましょう。このとき、髪の毛だけでなく頭皮までしっかり水分を浸透させることを心がけてください。
髪の毛の濡れ具合が中途半端だと、泡立ちも悪くなり、頭皮や髪と指の摩擦力が大きくなります。摩擦や抵抗が大きくなれば、髪や頭皮に加わるダメージも大きくなるので、頭全体にとって良くありません。
シャンプーは髪の毛というより、頭皮を清潔に保つために行うものです。そのため、髪の毛ではなく頭皮を濡らすことを意識してしっかりすすぎましょう。
こうしたシャンプー前の予洗いは、髪の毛に付着したごみやほこりを落とすためでもあります。
②お湯の温度は38度くらいに
熱すぎるお湯を使うのは厳禁です。熱すぎるお湯は頭皮や髪の毛にとってダメージになります。頭皮に強い刺激を与えることになるため、特に敏感肌の方や乾燥肌の方は熱すぎるお湯を避け、38度くらいの少しぬるいと感じる程度のお湯ですすぐようにしましょう。
③泡立てて頭皮をマッサージ
髪の毛と頭皮を濡らしたら、シャンプーを適量手に取って、しっかり泡立てて洗っていきます。
シャンプーは頭皮をマッサージするように洗うのがコツです。このとき、爪を立てずに指の腹で洗うことを心がけると良いでしょう。
ゴシゴシと洗うのではなく、指の腹で頭皮を優しく動かすようにして洗うとより効率的です。
④すすぎはシャンプーの倍の時間をかける
頭全体をマッサージできたら、シャンプーをしっかり洗い落としましょう。むしろシャンプーの肝は、このすすぎにあるといっても過言ではありません。頭皮の奥にしっかりとお湯が行きわたるように意識して洗いましょう。
洗い残しがあると、残ったシャンプーの成分が頭皮にダメージを与えることもあるため、シャンプーの倍の時間をかけて念入りにすすぐようにしてください。
洗髪後はしっかり乾かす
シャンプー後は、濡れた状態で放置せず、しっかり乾かすことが大切です。
濡れた髪の毛は、非常に傷つきやすいデリケートな状態になっています。そのまま放置するとダメージの原因になったり、キューティクルのはがれを招いてしまったりすることがあります。ドライヤーで乾かす前に、まずはタオルドライで髪の毛の水分をしっかり吸収しておきましょう。
タオルドライをする際も、決してゴシゴシと拭いたり、強くこすったりせず、優しくいたわるように水分を拭き取るのがコツです。特に毛先は傷つきやすいので、細心の注意を払いながら水分を拭き取りましょう。
ドライヤーをする際は、なるべく送風口から髪の毛を離して乾かします。ドライヤーと髪の毛が近すぎると、熱で髪の毛が傷んでしまいます。
また、髪の毛ではなく頭皮を乾かすという意識を持ちましょう。頭皮からまず乾かし、余熱で髪の毛を乾かしていくと効率的に乾かすことができます。
頭皮環境の悪化を根本から対策する
頭皮環境はシャンプーの種類やシャンプーの仕方だけではなく、生活習慣にも大きく影響を受けます。
乱れた生活習慣が体調不良を招くように、頭皮環境の改善のためにも生活習慣は欠かせません。悪化した頭皮を放置しておけば、かゆみやフケだけでなく、抜け毛や薄毛にも繋がってしまいます。
シャンプーなど外側からだけでなく、身体の内側からもしっかりケアすることが、本当の意味で良い頭皮環境を保つことにつながるのです。
生活習慣を見直す
生活習慣が乱れていれば、それに比例するように頭皮の環境も悪化してしまいます。
生活習慣の乱れはホルモンバランスの乱れを招く原因のひとつです。ホルモンバランスが乱れると、皮脂の過剰分泌を引き起こして頭皮環境を劣悪な状態にしてしまいます。
偏った食生活や、暴飲暴食は避け、なるべくバランスの整った食生活を心がけるようにしてみてください。
偏った食生活は栄養バランスを乱し、髪の毛にまでしっかり栄養が行き渡らなくなってしまいます。栄養が足りなくなれば、髪の毛が細くなったり、抜け毛を招いたりすることにもなるでしょう。
食事だけでなく、運動や睡眠習慣も頭皮にとって大切です。運動不足や睡眠不足が続いていると、細胞の修復や再生に不可欠な成長ホルモンも不足しがちになります。成長ホルモンは髪の毛の生育にとっても重要なホルモンです。しっかり運動をしていたり、睡眠を取っていたりすれば、成長ホルモンの分泌も促進され頭皮環境の改善にもつながります。
また、ストレスを溜めすぎることも良くありません。
ストレスの蓄積は自律神経の乱れを引き起こします。自律神経はホルモンバランスを整えるために重要な器官であるため、体調の維持や頭皮の健康を守るためにも大切なのです。
ストレスをためないようにすることはもちろん、自分なりのリラックス方法を見つけておくことが、体調を整えるだけでなく、頭皮環境の改善にも貢献してくれます。
まずは自分の頭皮の状態を把握することから
髪の毛の悩みは、実は頭皮に原因がある場合が多いです。そのため、頭皮環境を改善することが、髪の毛の悩みを解消することにもつながります。
まずは、自分の頭皮の状態を知り、その状態に合わせてシャンプーを見つけることから始めてみてください。そのうえで、正しいシャンプーの仕方や生活習慣の見直しを通じて、頭皮環境を根本から改善できるように努めましょう。


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