
「仕事や家事で強いストレスを感じる」「最近、抜け毛が増えてきた」とお悩みの女性も多いのではないでしょうか。今回は、ストレスと抜け毛の関係性を解説します。
ストレス性の抜け毛は早めの対策が大切です。ストレスで抜け毛が増えた場合の対策方法も紹介するので、お悩みの女性はこの記事を参考に対策をしてみましょう。
ストレスは抜け毛に影響するのか
髪の毛に限らず、身体に生えている毛にはヘアサイクル(毛周期)があります。ヘアサイクルは成長期と退行期、休止期の3つのパートの繰り返しで進行しています。
成長期とはその名のとおり、毛が成長する時期です。生え始めは細く柔らかい毛が、成長期に少しずつ太く逞しくなっていきます。髪の毛だと1日に0.3~0.4mmほど成長すると言われます。
成長期が長いほど毛は太く長く育つので、体毛の中では髪の毛が最も成長期が長いのです。健康な髪の毛であれば、3~6年ほど成長期が続きます。
退行期になると、毛は成長を止めて抜け落ちる準備を始めます。退行期は1~1.5カ月ほど続き、ヘアサイクル全体に占める期間の割合は1%程度です。
最後に訪れるのが休止期で、毛の成長が完全に止まって、抜け落ちるのを待つ状態になります。4~5カ月ほど続き、ブラッシングやシャンプーで簡単に抜け落ちるようになります。
休止期の間には毛乳頭が次の毛を生やす準備をしているので、古い毛が抜け落ちた後はすみやかに成長期に移行していくでしょう。
健康な女性の場合、髪の毛のヘアサイクルは4~6年ほどで1周します。しかし、ストレスを日常的に感じていると、成長期が短くなり、急速に休止期に陥るのです。つまり、ストレスの影響でヘアサイクルが乱れ、抜け毛が増えるのです。
ストレスによる脱毛の度合いは、ストレスの強さや持続時間によります。なお、一般的に髪の毛は10~15万本ほど生えているのですが、そのうち1日に自然に抜けるのは50~100本くらいだと言われています。
これ以上の抜け毛があれば、ストレスによる脱毛を疑ったほうがよいでしょう。
▼ヘアサイクルは、こちらの記事でも詳しくまとめています。
ヘアサイクル(毛周期)の仕組みと改善方法を紹介 -美頭皮のすすめ-
ストレスによる抜け毛の特徴
自然に抜けた髪の毛の毛根は、少し膨みがあります。しかし、ストレスによる抜け毛は、十分に成長しないまま抜けているので、毛根が細いままです。
他にも自然な抜け毛は毛根が白くなっていますが、ストレスによる抜け毛は色素が抜けきっておらず、毛根が黒いままであることが多いです。抜け毛にこのような特徴があれば、ストレスが原因で脱毛した可能性も高いです。
ストレスによる影響はヘアサイクルの乱れだけではなく、脱毛症が発症してしまうこともあります。その中でも代表的なものが円形脱毛症です。
円形脱毛症にかかると、500円玉程度の大きさで部分的に髪の毛が抜け落ちます。自己免疫疾患の一種で、免疫システムが正常な細胞を攻撃することで発症します。遺伝的な要因も大きいのですが、ストレスによって引き起こされることもあるのです。
ストレスによる血行不良
強いストレスは、血液の循環や呼吸、代謝などに影響を与え、自律神経の乱れを引き起こします。自律神経は交感神経と副交感神経から成り立ち、ストレスは交感神経を優位にする作用があります。
交感神経が優位になると血管が収縮し、血液の巡りが悪くなるのです。その結果、髪の毛に十分な量の栄養が供給されなくなり、抜け毛につながりやすくなります。
また、交感神経が優位になることで睡眠の質も悪くなりがちです。睡眠不足で成長ホルモンの分泌量が減ると、抜け毛が増える恐れもあるのです。
外的なストレスも抜け毛の原因に
内的なストレスだけではなく、外的なストレスもまた抜け毛の原因となり得ます。例えば、夏の時期にエアコンが効いた室内と屋外では大きな気温差があります。涼しい室内と暑い屋外の行き来で自律神経が乱れて、抜け毛が増えることがあるのです。
また、頭皮が紫外線を浴びすぎると毛乳頭がダメージを受け、健全な髪の毛の成長に支障が出ます。日焼けによる頭皮の炎症にも注意が必要です。
そして、喫煙によっても抜け毛が増えることがあります。ニコチンによる血管の収縮作用、男性ホルモンの増加、ビタミンの破壊などが抜け毛の原因になりやすいです。
また、パーマ剤やシャンプーが頭皮にダメージを与えることも抜け毛の原因のひとつです。
ストレスによる子供の抜け毛
大きな精神的ストレスを感じると、トリコチロマニア、いわゆる抜毛症が発症することがあります。
トリコチロマニアは主に子供に現れる症状で、自分で毛を引き抜いてしまう病気です。爪をかむ、指を吸うなどの行動が同時に見られることもあります。
本人が症状を自覚していないケースもあるので、まずは子供にそれを指摘して自覚させてあげることが大切です。本人が症状を意識することで毛を抜く癖がなくなることもあります。
回復にはどの位かかる?
ストレスが原因の抜け毛は、回復までにある程度の時間がかかります。先述のとおり、髪の毛にはヘアサイクルがあります。
ストレスで1度ヘアサイクルが乱れると、髪の毛が元の状態に戻るまでには成長期を経る必要があるのです。ストレスが減り、ヘアサイクルが正常になれば、早くて半年ほどでまた新しい毛が生えてくるでしょう。
また、抜け毛の原因となったストレスの性質によっても、回復するまでの期間は変わります。
まず、原因が出産などの一時的なストレスであれば、ヘアサイクルは自然に元に戻るので比較的早く回復するでしょう。一方で、仕事や家事などの慢性的なストレスだと、環境や習慣を改善してストレスを取り除くことから始めなければなりません。
食生活に気を付ける、しっかり睡眠をとるなど、できることから始めましょう。髪の毛のヘアサイクルは他の体毛に比べて長く、元に戻すまでに時間がかかります。つまり、ストレスによる抜け毛に気が付いたら、なるべく早めの対策が肝心なのです。
ストレスによる抜け毛の対策
ストレス社会の現代においては、生活習慣を改善して体質から変えていく方法が有効です。
つまり、ストレスを溜めにくい身体づくりを実践するということです。そのための対策方法を具体的に紹介していきます。
栄養バランスの良い食事を心がける
ストレスが溜まると暴飲暴食で解消しようとする女性も中にはいますよね。しかし、ストレスを溜めにくい身体を作るためには、バランスのよい食事が欠かせません。
体内環境を健全に保たないと自律神経が乱れやすくなるので、ストレスも溜まりやすいのです。そのため、ストレス対策は栄養バランスのよい食事で健康な身体を作ることから始めましょう。
そのうえで、脂質を多く含む食品はなるべく控え、ビタミンやミネラルをこまめに摂取すれば髪の成長は促進されます。また、1日3食、規則正しく食べることも大切です。朝食を抜いたり、夕食を夜遅くに食べると、胃腸にも負担をかけてしまいます。
その胃腸への負担は新たなストレスの原因にもなるので要注意です。栄養バランスと規則正しさの2点を押さえて毎日の食事を楽しむことで、効果的にストレスを軽減しやすくなります。
▼育毛と栄養の関係も参考になるので、是非ご覧ください。
育毛のために必要な栄養とは?育毛と栄養との関係を紹介します! -美頭皮のすすめ-
十分な睡眠を取る
ストレス対策は質のよい睡眠をとることも重要です。質のよい睡眠は、自律神経を整えてストレスを軽減する効果があります。眠る直前にはスマートフォンの画面を見ない、夕食は入眠の3時間前までに食べるなどの対策が有効です。
神経が高ぶったままでは、なかなか寝付くこともできません。「寝る前の半身浴で身体を温める」「お気に入りの本を読む」など、神経を落ち着かせる方法を実践してみましょう。
▼睡眠が髪の毛に与える影響について詳しく紹介しています。
睡眠による成長ホルモンが髪の毛に与える影響とは? -美頭皮のすすめ-
適度な運動をする
運動不足もストレスをため込む原因です。習慣的な運動には、身体の新陳代謝を高めて老廃物を排出する効果があります。血行改善の効果も期待できるので、ウォーキングやジョギングなどの適度な運動を習慣的に行いましょう。そうすることで、ストレスをため込まず、健康にも良い身体が作れるのです。
また、趣味として定期的に軽いスポーツをするのもおすすめです。
セルフケアでは良くならない場合は専門医へ
ストレス性の抜け毛の改善には時間がかかるので、これらの対策方法はじっくり継続的に行う必要があります。
しかし、セルフケアを続けることができず、抜け毛が改善しないこともあります。そんな時や抜け毛のペースが早くてすぐにでも回復させたい場合は、クリニックなどの医療機関での受診も検討してみましょう。
抜け毛の専門クリニックでは、個々の症状に応じて対応してくれます。セルフケアよりも確実に高い効果が期待できるのです。
まとめ
ストレスと抜け毛の間には大きな関係があり、溜め込んだストレスが知らないうちに抜け毛の原因になっていることがあります。また、ストレスによる抜け毛は元に戻るまでに時間もかかります。
だからこそ、なるべく早めの対策で、早期改善を心がけることが大切なのです。まずは無理のない範囲のセルフケアで、抜け毛対策をしていきましょう。


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